仮想通貨の税金計算ツール徹底比較

確定申告をするためには、仮想通貨の1年間の損益情報を用いた税金の計算が必要になりますが、以下のような疑問を持っている方も多いと思います。

この記事では、このような不安を払拭し、あなたの代わりに仮想通貨の税金計算をしてくれるサイトやツールを徹底比較します。

仮想通貨取引の税金は？

仮想通貨の利益は個人の場合、雑所得扱いとなり、以下の表のように所得金額が増えるほど、税率も高くなる累進課税が適応されます。これに、「住民税」と「復興特別所得税」も加えられ、最大55%の税金が課されます。

1社からしか給与を受け取っていない会社員が副業として仮想通貨取引をし、1年間の利益が20万円以下であれば所得税の確定申告は必要ありません。
※ただし、利益に対して、その金額に関係なく、住民税は一律10%かかります。

 確定申告は、一年間の利益が20万円以上の場合に必要です。
仮想通貨取引による年間利益 ＋ 給与以外の所得(副業収益など) － 必要経費を差し引いた額 ≧ 20万円

 必要経費に含まれる例
・仮想通貨の取得費用
・出金手数料＆取引手数料
・仮想通貨関連の書籍代やセミナー代など
※取引に使用する通信費も条件によっては可能

仮想通貨の取引で税金がかかるケース

実際に利益を確定したとみなされ、税金が課される例を5つ見ていきましょう。

①仮想通貨を売却した場合

仮想通貨売却時での価格と取得価格との差額が所得額となります。

仮想通貨の売却価額 ー 仮想通貨の1単位あたりの取得価額× 数量 ＝ 所得額

※取得価額 : 手数料なども含めて、仮想通貨を取得するのに使用した金額。

②仮想通貨で決済した場合

仮想通貨で商品等を購入した際は、支払いをしたタイミングで所得が発生します。
→ 仮想通貨を一度売却し、日本円に換金してから商品を購入する取引と同じ扱いになるためです。

商品の価格 ー 仮想通貨の1単位あたりの取得価額× 数量＝所得額

③他の仮想通貨に交換した場合

ある仮想通貨から別の仮想通貨を購入する仮想通貨同士の交換の際も所得が発生します。
→ 仮想通貨で決済した場合と同様の扱いのためです。

購入する仮想通貨の時価 ー売却する仮想通貨の取得価額＝所得額

④ステーキング・レンディング等で仮想通貨の報酬を得た場合

ステーキング報酬やレンディングでの利子として仮想通貨を取得した場合はそのタイミングで所得が発生します。

レンディングについて、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

⑤エアドロップで報酬を得た場合

取引が既に行われている上場済み仮想通貨のエアドロップや取引所のボーナスで貰った仮想通貨などは、配布された時点で取得が発生します。

まだ取引が行われていない未上場の仮想通貨のエアドロップは、取得価額が存在しないため、獲得した時点では「0円」とみなされ、税金は課せられません。そのトークンを売却したときが課税されるタイミングとなります。

エアドロップについて、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

仮想通貨の税金計算を行う方法

仮想通貨の所得は、総平均法か移動平均法の計算方法で算出します。
※一度使用した計算方法は原則として3年間変更できず、届けを出さない限り、個人取得は総平均法、法人取得は移動平均法に決められています。

仮想通貨の税金計算ツールとは

仮想通貨取引に関する税金の計算をより簡単に、より効率的にするためのサービスのことです。

・時間の節約 : 手間のかかる仮想通貨の損益計算を自動化
・正確性の向上 : 人為的なミスを減らし、正確な仮想通貨の損益計算が可能
・簡易化 : 必要書類を自動生成するので、知識がなくても簡単利用可能

その計算結果を申告書に転記すれば確定申告を簡単に済ませることができます。

取引数の少ない方は、自分で損益を算出し確定申告をすることは出来なくはないですが、抜けがあったせいで「知らない内に税金未納で追加課税何百万円の支払い義務が生じ、税務調査の対象に陥ってしまうケース」も少なくありません。

 仮想通貨取引を頻繁に行っていない多くの方は、無料で使用できる範囲で十分事足りるので、今日早速無料でツールを使い始めてみましょう！

仮想通貨の税金計算ツールでできる事

・確定申告そのものはできない
・多くの件数で算出したい場合は有料プランに入る必要がある
・システムエラーが起こると計算結果がわからない

仮想通貨の税金計算ツールおすすめ一覧

順位	商品	タイプ	おすすめ度	料金/年	対応取引所数	対応銘柄
1位	Gtax	ツール	S	～100件まで無料	76	23,888
2位	クリプタクト	ツール	A	～50件まで無料	124	22,371
3位	Koinly	ツール	S	※～10,000件まで無料	420越え	25,000以上
4位	CryptoLinc	ツール	B	～200件まで無料	45	N/A
5位	TAX-C	サービス	C	～100件まで無料	N/A	N/A

※Koinlyは海外サイトで少し使い勝手に難があり、税務レポートの取得にも料金がかかるため5位にしましたが、機能性では個人的に最もおすすめです。

仮想通貨の税金計算ツール別解説

1位 Gtax

Gtaxとは、Aerial Partners社が提供する仮想通貨の損益計算自動化ツールで、国内外の取引所に対応し、1年分の損益を自動で計算してくれます。

・対応取引所数は国内外に76カ所、対応銘柄は23,888種類
・有料でDeFi取引データにも対応
・マイニング、エアドロップ、NFTなど多様な取引にも対応
・年間取引件数が100件までは完全無料

・取引件数が100件を超えると料金が発生する
・取引件数が50万件を超える際は見積もりが必要
・一部の仮想通貨や取引所には未対応

Gtaxの料金プラン表

Gtaxの料金プランは、取引した仮想通貨の件数によって異なります。固定料金のサブスクリプションサービスではなく、年間の取引件数に応じて、その年ごとに料金が変動する仕組みになっていますのでご注意ください。

2位 クリプタクト

クリプタクトとは、仮想通貨の損益自動計算ツールで、多数の対応取引所とコインに対応しています。

・対応取引所数は国内外に124カ所、対応銘柄は22,371種類
・価格データを一分単位で表示
・DeFi取引を自動で識別
・マイニング、エアドロップ、NFTなど多様な取引にも対応
・年間取引件数が50件までは完全無料

・取引件数が50件を超えると料金が発生する
・一部の仮想通貨や取引所には未対応

クリプタクトの料金プラン表

3位 Koinly

Koinlyとは、ロンドンに本社を置く企業が提供する海外の取引所を中心に投資を行う個人向けに特化した
仮想通貨計算ツールです。

・対応取引所数は420カ所を超え、対応銘柄は25,000種類以上
・100以上のウォレットにも対応し、1クリックでデータの取り込みが可能
・取引件数に関係なく、全てのデータを取り込んでから支払い料金が確認できる
・各国の税務レポート作成にも対応
・年間取引件数が10,000件までは完全無料

・英語のツールのため、慣れない人には使いにくい
・NFTの時価表示は未対応
・API連携に対応している国内取引所は少ない
・税務レポートのダウンロードは有料

Koinlyの料金プラン表

4位 クリプトリンク

クリプトリンクとは、Gtaxやクリプタクトのような仮想通貨の損益自動計算ツールです。

・料金はGtaxやクリプタクトに比べて安価
・仮想通貨引き取りサービスあり
・マイニング、エアドロップ、NFTなど多様な取引にも対応
・年間取引件数が200件までは完全無料

・損益自動計算ツールとしては後発でユーザー数も少ない
・対応取引所数は国内外に45カ所、対応銘柄数は不明

クリプトリンクの料金プラン表

5位 TAX-C

TAX-Cとは、2014年から仮想通貨の損益計算を代行するサービスを展開している老舗企業です。

・柔軟なオーダーメイドサービス
・取引件数100件超や海外取引所を使用しても初年度は無料
・完全丸投げで損益を計算してくれるから楽

・年間取引件数100件まで + 国内取引所のみだと無料で縛りが強い
・海外取引所は有料プランのみ
・損益をタイムリーに把握できない

TAX-Cの料金プラン表

よくある質問

仮想通貨を持っているだけで税金はかかる？

仮想通貨を購入し、ただ保有しているだけでは、所得が発生しないため課税対象にはなりません。

仮想通貨の税金を払わないとバレる？

仮想通貨取引で利益を得た場合、基本的にはバレるので、適切に確定申告を行うことを強くお勧めします。

税務署は仮想通貨取引所に対して税務調査を行う権限を持っており、銀行取引データや取引所データを調査することで、誰がどれだけ利益を得ているかを把握することができるため、確定申告を行わないことは非常にリスクが高いです。

仮想通貨の確定申告をしないとどうなる？

確定申告をしなった場合でも税務調査が入らないことはあるかもしれませんが、未申告が見つかった際は、重加算税や延滞税といった重い罰金が科されることもあるので、確定申告の対象者は忘れずに行っておきましょう。